- 2024年4月30日
山崎元さんのファンというか、山崎さんの本を読んで投資を始めました。
山崎元さんは経済評論家で、楽天証券の「ホンネの投資教室」などで見られるようなはっきりとした物言いが清々しい方でした。がんであることを公表されており、2024年1月1日に65歳で永眠されました。ご冥福をお祈りしております。
最後の著書となる「経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて」を読みました。感想を記録しておきます。☆5です。本書はその山崎さんがご子息に向けて書かれた手紙を書籍にしたものです。最後に原文の手紙もついていますが、こんな文章を子どもに書けるなんて…と感銘を受けています。後書きも正直読んでいて気持ちがざわつくのを止められませんでした。
読んで思ったこと
手紙ということで、若い人への人生の指南書として書かれていると感じました。しかしさすが山崎さん実践は難しいと思いましたよ。
株式で稼ぐ
本書では株式もしくはそれに連動する形で報酬を得て「稼げ」と言っています。その方法が以下の4つ。
(1)自分で起業する
(2)早い段階で起業に参加する
(3)報酬の大きな部分を自社株内し自社株のストックオプションで支払ってくれる会社で働く(外資系企業に多い)
(4)企業の初期段階で出資させてもらう
これなど、私が今20歳だったとしても、やれるかわからないです。さすがです・・・山崎さんは(2)については「親世代の読者も参考とされたい」とのことでしたが・・・。このような機会を手にするためにも「なるべく頭のいい奴、面白い奴と付き合え」ということなんですね。
お金の運用について
山崎さんは本書では「全世界株式のインデックスファンド」もっと具体的にいうと「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を推していました。増やしかたについても端的に以下のように述べられています。
さて、君が稼いだお金の増やし方だ。手短に結論から述べよう。お金を効率良く増やすには、次のようにするといい。
(1)生活費の3〜6ヶ月分を銀行の普通預金に取り分ける。残りを「運用資金」とする
(2)運用資金は全額「全世界株式のインデックスファンド」に投資する
(3)運用資金に回せるお金が増えたら同じものに追加投資する。お金が必要な事態が生じたら、必要なだけ部分解約してお金を使う
ここは本当にぶれていないですね。まさに、私が投資を始めるきっかけにもなった昔読んだ本(後述します)を思い出します。アクティブファンドや保険についてもダメと言い切っています。
働き方について
12回程度転職をされている山崎さん。働き方についても示唆に富んでいるなと思いました。
・28歳までに、自分の「職」を決めよ
・35歳までに、自分の人材価値を確立せよ・45歳から、セカンドキャリアについて準備せよ
私は40代ですので、一番下の記載が気になる年頃です。セカンドキャリアについて必要なのは、仕事に必要な「能力」と、自分の仕事を買ってくれる「顧客」の2つとのこと。
能力はともかく、顧客が難しいと感じてしまいます。色々と考えてみたいです。
山崎さんの思い
以降の章は、幸福論と、手紙の原文。私はこれまで山崎さんのお金の本しか読んだことがなかったため、これらの章は山崎さんの人間性に触れるような部分もあり、思いのこもった文章だと余計に感じてしまいました。
内容は、ご子息への愛情を感じさせるものであり、最後までぶれない姿を見せてくれた山崎さんの人間性そのものだと感じています。
結r結論を述べる。
モテる男になれ。友達を大切にせよ。上機嫌で暮らせ!父の長話に付き合ってくれて、どうもありがとう。
山崎さん、関係者の皆さま。出版していただきありがとうございました。
余談:山崎さんのいう通りに購入した銘柄
山崎さんとの出会いはこちらの本です。「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください」、これです。初版を読みました。ネット証券の口座は持っていなかったので、この本を読んでネット証券口座(楽天とSBI)を開き、本に書かれていた銘柄に500万円ほど投資しました。一括投資です。(その時、一括投資とドルコスト平均法の違いもよくわかっていなかった)
改訂版は読んでいないのでわからないですが、私が読んだ際には以下の2つを買え、と書かれていました。
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
- インデックスファンドTOPIX
とりあえず本の通この2つを購入したのが私の能動的な投資のスタートです。購入した当初、私はこの2つの商品の違いがわかっていませんでした。なんなら「インデックス」の意味もわかっていませんでした。ですが、500万円程度入れたんですよね。初心者が何も調べずに一括投資…(さすが山崎さん、まともな商品で良かったです。)
インデックスファンドTOPIXから配当金が出てなぜ?となって調べたことを覚えています(上場投資信託だから)。あと、その時は投資しても全然増えないし、これの何がいいの?と思ったことも覚えています。この2つは運悪く購入直後ずっと下がってマイナスだったのは覚えています。しばらく投資が嫌いになるくらいには。けれど、おかげで投資の存在を認識できたので私にとっては良い思い出です。
とにかくこの行動を契機として、NISAをやったりiDecoをはじめたり、さらにはよくわかっていなかったんでしょうね、アクティブファンドに手を出したり、個別株に手を出したりと色々させていただきました。この2つの商品は今でも一般NISAで若干保持しており、今となっては大きくプラスに転じています。ありがとうございます。